1897年、バージニアという8歳の少女から、「サンタクロースって本当にいるの?」いう質問の手紙を受け取った「ニューヨーク・サン新聞」の記者は、それに対して新聞社の顔ともいうべき社説に、その答えを書きました。それが、世界中で大反響を呼び、世界で最も有名な社説のひとつとなり、本にもなりました。やりとりの内容はこうです。

ニューヨーク・サン紙さま
わたしは、8才の女の子です。私の友だちは「サンタクロースなんていない」と言います。パパに聞いたら「もしサン新聞の記者さんに聞いて、サンタクロースが本当にいると言われたら、そのとおりだと思うよ」と言いました。だから本当のことを教えてください。サンタクロースは、本当にいるのですか? バージニア・オハロン 西495番街115番

バージニアへ
君の友だちは、まちがっていますよ。その子たちはきっと、疑い病にかかっているのだと思います。人は自分に見えるものだけしか信じないし、自分の小さな心で理解できないことは何でも否定してしまいます。
 もし、サンタクロースがいないとするならば、あなたは手に触れられるもの、目に見えるもの以外で、幸せを感じたことはないですか? 目に見えなくても、手に触れられなくても、幸せって感じられるはずです。ひょっとすると、それがサンタクロースなのかもしれませんね。
1897年12月24日 ニューヨーク・サン紙

 “信仰”とは、現実には“無い”と思われるものを、“在る”と信じ、それがあたかもあるかのようにして生きることです。神様は目で見えなくても、手で触れることができなくても、たとえその存在を否定したとしても、どのような人の中にも、確実に共に生きて働いておられます。そして、クリスマスは、その存在が明らかにされた日です。
「きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。」(ルカ2章11節)