今日はイースター(復活祭)。キリスト教会ではイエス・キリストが死から甦ったことをお祝いする日。日本では“クリスマス”もそうであるが、商売で“イースターセール”というキャッチフレーズで集客をしているケースも多く出てきた。恐らく売る側も買う側もその意味はわかっていないと思われるが、私個人としてはその動機や目的はともかくとして世の中の人たちにそのような“祭り”があることを周知されるのは良いことだと思っている。
 イースター礼拝では教会によってはゆで卵にカラフルなデコレーションして飾ったりしている。私たちの教会ではイースターエッグを毎年作って来られた方々に配っている。この習慣は聖書に書かれていることでもなく宗教儀式でもないが、キリストが硬い殻ならぬ死の墓を破って甦られたことを覚えるために記念としてそうしている。
 ある教会の日曜学校にスティーブンという肉体的も精神的にも弱さを持っている8歳の男の子がいた。イースターの前の日曜日、日曜学校の教師が生徒達に、空の卵の形をしたプラスティックの容器を渡し、次の日曜日にイースターの話に関連する物をその卵の中に入れてくるようにと課題を出した。当日、生徒たちが持ってきたそれぞれの卵が開かれていくと、あるものには命の性質を示す小さな花が入っていたり、他のものには墓からころがった墓石を意味する石が入っていた。そしてスティーブンの卵を開けると何も入っていなくて他の生徒はそれを見て笑った。先生はスティーブンが課題を理解できていなかったのだと思い何も言わず、すぐに次の卵を開けようとした。するとスティーブンはそれに割り込むようにして言った。「その卵はイエス様の墓のように空っぽなのです! これは全ての人のための新しい生命を意味しているんです!」その年の夏、スティーブンは体の状態が悪くなり召されていった。葬儀に参列した人たちの中で、棺に入れられた空の卵の形をした容器の意味を知っていたのは、子供達と日曜学校の先生だったそうだ。Happy Easter!