アメリカでの話です。ポールはお兄さんからクリスマスに新車をプレゼントしてもらった。ポールがオフィスから出てくると街でよく見かける少年が、その新車の周りを歩き回っていた。よほどその車が気に入ったらしくポールに話しかけてきた。「これ、おじさんの?」「ああ、兄貴からのクリスマスプレゼントさ!」ポールは答えた。少年はそれを聞いて驚いた様子で「えっ?おじさんの兄さんがくれたって?おじさんはお金を払わなくてよかったの? うわあっ!!すごいな~僕・・・」と少年は何かを言いかけたが、そのまま口をつぐんでしまった。多分、少年は「僕にも、こんな兄さんがいたらなぁ」と言いたかったのだろうとポールは思った。ところが、少年の口から出た言葉に耳を疑った。「僕ね、おじさんの兄さんみたいになりたいなって思ったんだ!!」ポールは少年の顔を見つめながら言った。「この車に乗ってみる?」「本当?うん!!」車を走らせて間もなく、「おじさん、僕の家まで乗せてくれる?」きっと、こんな大きな車で帰ってくるところを自慢したいんだなとポールは思った。しかし、その憶測はまたもや外れた。「あそこに階段がついている家が見えるでしょ? そこで待っててくれる?」少年は車を降り駆け足で家に入っていった。しばらくすると少年は身体の不自由な弟を背負って出てきた。弟を階段に座らせ、車がよく見えるように弟の身体を支えた。「ほらバディー、見てごらん。さっき言ったとおり、すごい車だろ!そこにいるおじさんの兄さんがクリスマスプレゼントにくれたんだって!! それもタダでくれたんだって!! お前も待ってなよ!! 兄ちゃんがいつかきっとあんな車をお前に買ってやるからね!そしたらいつも話してるクリスマスのイルミネーションを、その車に乗って見に行こうな!」それを聞いたポールは何も言わずに車を降りると、少年の弟を抱き上げ新車の助手席に座らせた。目をキラキラ輝かせた少年もその横に乗り込むと三人はドライブに出かけた。本当に素晴らしいクリスマスのドライブだった。このクリスマスの日、ポールは聖書の御言葉をしみじみ感じたのである。「受けるよりは与えるほうが幸いである」Merry Christmas!
