先日土曜日に行なった小学生のクリスマス集会は、皆さまのお祈りに支えられて二階のキッズの部屋がいっぱいになる大盛況であった。その前日チャペル前を下校する子どもたちにチラシを配りながら「サンタクロースもくるよ」と声をかけた。すると「それって本物のサンタ?偽物サンタ?」と質問された。私も困りながら「サンタクロースって本物とか偽物ってあるの?」としか返答できなった。あとでそのやり取りを色々と思いめぐらしていた。彼らにとっての「本物」とは何であろうか? トナカイに引かれながらソリに乗って煙突から家に入ってきて寝ている間に枕元にプレゼントを置いてくれるのが本物のサンタなのか? 実は恥ずかしながら私自身は小学校5年生までサンタクロースを信じていた。クリスマスが近くなったある日、「今年のクリスマスは、サンタ何を持ってきてくれるのかな?」と嬉しそう語る私に母は申し訳なさそうな顔で「あのね~もう高学年になったしそろそろ言った方がいいと思うから言うんだけど・・・サンタはいないんだよ。あれは私が置いたの」と告白されショックでしばらく落ち込んだ記憶がある。だから目の前の小学生たちの夢を壊したくなかったので「もしそれが本物だと思っているなら、実は親がサンタになってるだけだよ~」とは言えなかった。
世の中は何が本物なのか偽物なのかわからなくなっている。「オレオレ」と本物の息子のように装う詐欺師や「人間はアメーバーから偶然に進化した」と何の合理的な証拠もないことを“本物”の説であるかのようにして教えている日本の教育。この世のものを手にいれることが本当の安心や幸せではないことを、既に先人たちや世界の歴史が証明しているのに、未だに「本物」としてそのような考えが蔓延している。今年のクリスマスは、「本物」を掴んでいただきたいと祈っている。
サンタは私の役目だったが、集会の後で子どもたちから「あれは偽物やった!」と突っ込まれた。聞いてみると彼らにとっての本物のサンタは、お腹がでっぷり出ていて、メガネをしてなくて、髭も薄っぺらい口髭ではないらしい。とにもかくにも楽しい子どものクリスマスであった。