レオ・ダーカンジェロは、わずか11歳の時に窃盗を繰り返し捕まりました。その後、彼はヘロインにも手を出しました。逮捕され監獄に入れられたレオは壁になぐり書きされていた言葉を見つけました。「人生の旅路が行き詰まった時、苦しくて心が痛む時、ただ嘆くほかない時、イエスさまに頼りなさい。あなたが求めるべきものはイエス・キリストです」これを読んで彼は考え込みました。「今、俺の人生の旅路は行き詰っている。あるのはただ汚い過去と暗い未来だけだ」そして彼は涙を流しながら祈りました。「イエスさま、助けてください。俺は人生を台無しにして行き詰ってどうすることもできません。俺の人生を変えてください。これからは違う生き方ができるように助けてください。」祈り終わった後、彼は生まれて初めて絶望以外の感情を覚えました。監獄にいるのに自由を感じることができたのです。刑期を終えた後、高等学校を卒業して、ウエストチェスター州立大学と改革聖公会神学校を卒業しました。生まれ変わったレオは、監獄伝道に身を投じ自分がキリストの中で得た本当の自由を人々に伝えるようになったということです。
 マタイ福音書19章の中に登場する青年は人がうらやむような人物でした。地位や名誉、学歴、財産を持ち合わせ律法もすべて守ってきたというのです。隣人も愛してきたというのですから福祉活動もしてきたのでしょう。しかし“親切な良い人”であってもまだ不足を感じていたのです。イエスさまは彼に「自己犠牲のある愛をもって、わたしに従ってきなさい」と話され、それを聞いた青年は悲しみながら立ち去りました。
 損得関係なく自己犠牲を成就されたのはイエスさまただお一人です。神なるお方がこの地上に来て、裏切る弟子たちを最後まで愛し通され、私たちの罪の代価を背負って十字架にかかられました。必要なことは「どうぞ私を助けてください」と謙遜にイエスさまを求められるかということです。そうすればレオのような助けを得ることができるでしょう。