花園チャペルの新会堂で新年を迎えることができて大変嬉しい。開拓12年間が走馬灯のように思い出される。私が関東の母教会を離れ関西で開拓をする決意をしたときに、ある伝道者から、「あなたの年齢からの開拓は遅すぎる。お手並み拝見させていただくよ」と言われた。当時、「わたしは荒野に道を設け、さばくに川を流れさせる。」(イザヤ43:19)との御言葉を握っていたので、その伝道者の人間的な言葉にある意味ショックを覚えた。勿論、無謀だったり常識もわきまえておかなければ、この世では上手くいかないだろう。「お手並み拝見?」私は誰のお手並みを拝見されるのだろうかと思った。もし“私”の能力のことを言っておられたのであれば、笑いしか出てこない。確かに年齢的にも能力的にも無理であることは一目瞭然。私はその時に「神さま、どうぞこの伝道者に、無から有を生み出すことができるあなたのお手並みを見せてあげてください!」と心の中で祈ったのを忘れることはできない。 
 まだ経済力もなく、数名の人たちしかいなかった時代から、私たちの人生も教会も創造主なる神さまに導かれ、私たちは神さまの願いと計画をかなえるための“道具”だという意識を持ちながら牧会してきた。なので開拓当初から事あるごとに皆さまの前で「私たちの教会はあちらこちらに移転しながらの礼拝ですが、もし神さまが必要とされたら短期間に会堂は与えられます!」と信仰の宣言してきた。
 多くの人は「開拓12年で土地付きの会堂が建つなんて凄い!」と驚かれるが、凄いのは神さまであって、私も教会のメンバーも“主の道具”として用いられただけで、神さまの側から見ると、いとも簡単なことだったのです。しかし私たちは肝に銘じておかなければならないことは、この地上のものはいつか廃れ無くなるということ。永遠の都を目指さなければ何も意味をなさない。「いのちの書」に名前が記される生き方が問われている。2023年は、永遠に繋がる良い一年でありますように。