前回に引き続き“終末”における聖書預言の成就について何回かに分けて書かせていただきます。まず起こっている出来事を順番に書きます。。
マタイ福音書24章にはイエスさまと弟子たちとの「終末」に関する問答が展開されていきます。「世の終わりはいつ?」という質問に対してイエスさまは「にせキリストが現れたり、戦争のうわさを聞くが、それは終わりではない」と答えながらその後「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、飢饉と地震が起こることが前兆だ」と語られました。前者の「戦争」とは、紀元1世紀のユダヤ的解釈は、地域戦争のことですが、後者は全面的な世界戦争を指しています。当時は想像もつかない世界大戦が終末時代の“しるし”だと示唆されたのです。第一次世界大戦(1914~1918)以降、終末時代に入ったことがわかります。この戦争がイスラエルの歴史に決定的な影響をもたらしました。第一次大戦ではシオニズム(ユダヤ人国家を建設しようという運動)に大きな影響を与えました。そして第二次大戦では、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の悲劇がイスラエル国家の設立へと導かれていきました。そして世界大戦と並行して、中国では1920年、1921年にはロシアの大飢饉がありました。そして第一次世界大戦の前後から地震は急激に増えています。
 終末の“しるし”の第二番目はイスラエル建国です。ユダヤ人の回復は2段階で成就することがエゼキエル書20・22章からわかります。今日、離散したユダヤ人が不信仰なままイスラエルに帰還しているのは、神の裁きを受ける準備段階で、そこを通過して信仰による帰還(神に立ち返る)を果たして千年王国での祝福へと繋がっていくということです。
 終末の第三番目の前兆は、エルサレムがユダヤの支配下に置かれたということです。建国した後もエルサレムはヨルダンの支配下にありましたが、1967年の六日戦争の時にイスラエルはエルサレムを所有し、現状は大変困難ですが、いつ神殿が建ってもおかしくない状況が出来上がりました。患難期には神殿が建ち機能していることが黙示録からも読み取れます。
 次回は、これから起こる“しるし”についてです。