もう30年近く前の話になるが、私がアメリカはロサンゼルス郊外にあるラグナヒルズという場所で、日本人教会の開拓をしていた時代に、アナハイムにあるスタジアムでハーベスト・クルセードというアメリカの教会が協賛して行なう大きな集会が毎年なされていた。そこには数千人の人たちが集まり、プロのミュージシャンたちによるゴスペルやダンス、そして当時はグレッグ・ローリー牧師による初心者向けのわかりやすいメッセージが語られるという素晴らしい時間でした。そこでの私の一番の感動は、メッセージの後に「今日、イエス・キリストを救い主として信じたい方々は、お祈りしたいので客席から立ち上がって、舞台のあるフィールドに降りてきてください。」という招きがあると、数百人の人たちが列をなして降りてくるのです。中には穴の開いたジーンズに髪の長いヒッピーや、入れ墨を入れたいかつそうな男性もいる。涙を流しながら友人や家族がその後に続いている。電光掲示板には、“Welcome to the family of God”と表示され、救われた魂に対する喜びと歓迎の拍手が鳴り響いている。そしてその背後でゴスペル歌手によって“Come Just as You Are”(ありのままで来てごらん)という歌がその感動を倍増させていた。歌の内容は、「ありのままで来てご覧なさい。活ける水を味わえば、二度と渇くことはありません。聖霊の呼びかけが聞こえませんか? Come and See来て見てください」とても美しい光景であった。
 Come and See・・・これはイエスさまが言われた言葉です。よく教会へお誘いすると「今の自分は罪深すぎて教会なんて行けません。もっとまともになってから行きます。」とか「聖書の知識がないから無理です。」とか言われる方がいるが、もしそうだとしたら私も牧師になっていなかったでしょう。ただありのまま来てイエスさまに出会うだけでいいのです。行ないとか知識ではなく、イエスさまに出会ったら、人生が変えられるのです。これがキリスト教は宗教ではないと言われる所以なのです。
 「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。」(マタイ11章28節)