ダビデとゴリアテの対決の記事は、旧約聖書の中では大変有名な箇所です。ゴリアテは身長2メートル86センチの巨体で、身に着けている鎧兜は57キロ、持っているヤリは6.8キロという威圧感満載の大男でした。そして彼が吐く暴言に対してイスラエルの人々は、恐れ震え縮み上がっていました。そこに父親の下で羊飼いとして働いていた当時中高生位の年齢であったダビデが、父親の言いつけでイスラエル軍の中いたお兄さんたちに弁当を持って戦場近くに行った時に、敵であるペリシテ軍とあのゴリアテが上ってきて、イスラエルに対する脅し文句を聞きました。ダビデは思いました。「あの神を信じない人たちは何者なので、生ける神の軍に挑もうとしているのか?! 主がペリシテ軍と戦って、やっつけてくださるだろう!」そして彼は武具をつけて出て行こうとするのですが合うサイズがなく、あまりにも重すぎて動けないので、全部脱いで丸腰状態でゴリアテの前に立ちました。持っているものは、谷間で拾った5個のなめらかな石と羊飼いをしている時にオオカミを散らすときに使う石投げだけでした。それは滑稽な姿だったことでしょう。武装した頑強な巨人を前に、弁当を届けにやってきた一人の羊飼いの少年が、立っているのです。しかし数分もかからないうちに、ダビデが放った一発目の石がゴリアテの額に当たり倒れてしまいました。
 ダビデの勇気はどこから出てきたのでしょうか? それはダビデから出た次の言葉にヒントがあります。「おまえはつるぎと、やりと、投げやりを持って、わたしに向かってくるが、わたしは万軍の主の名、すなわち、おまえがいどんだ、イスラエルの軍の神の名によって、おまえに立ち向かう。」(サムエル上17:45)ポイントは、相手の大きさと自分を比べていなかったというところです。彼が比べていたのは、相手と神さまの大きさでした。“自分”を用いて生ける神が戦ってくださるという信仰です。
 私たちも自分の実力や能力と問題を比べると押しつぶされそうになります。どうぞその時にこそ主を見上げてください。主は、私たちの問題よりも、病よりも大きなお方です。主がご一緒ならば何とかなります!