昨年、横浜DeNAベイスターズの監督を退任したアレックス・ラミレス氏が、日本テレビ系で放送された「人生が変わる1分間の深イイ話」に出演。ダウン症の長男・剣侍君(5)への思いを語っていた。
 出産直後にダウン症と告げられ、奥様は「私は障がい者の母親になれるのか?とにかく不安でとにかく泣いた」と述懐。しかし、ラミレス氏から「ベイビー、イッツOK。多分ダウン症だけど、何の問題があるの?今日あなたは大変な出産をして、こんな素敵な子供が生まれて、何の問題があるの」と言われ、前向きな言葉に励まされたという。
 出産から半年後、ラミレス氏はDeNAの監督に就任。剣侍君と奥様を全ての遠征に同行し、毎日、関係者にダウン症であることを明かしながら紹介した。奥様は「『ダウン症ですよ』などとはお披露目はしたくなかった」と当時の率直な思いを吐露。それでもご主人が、すごく誇りを持って自分の子供を紹介している姿を見ていると、誇っていいんだと思い、自分も紹介したいな、と思うようになったという。
ラミレス氏は「子供を誇りに思っているし、愛しているし、何も隠すことはない」と笑顔で語りながら、「ダウン症を産んだ親になんて声をかければいいか分かるかい?」とスタッフに逆質問。「最高の答えはこれさ。『かわいいー』でいいんだ。だってダウン症の子供、超かわいいじゃん。だから妻がダウン症を悲しむ意味が分からなかったよ」と話した。
 このような考えはどこから来ているのか? 彼は著書「ラミ流」の中で自身がクリスチャンであることを明かしている。一部を抜粋します。
 98年、僕はクリスチャンになった。キリストを信頼して、僕は自分自身をコントロールできるようになったんだ。どうして僕がこんなにおおらかでフレンドリーなのかって、日本でもみんなにきかれるよ。僕がほかの選手や審判と言い争っている姿、一度も見たことがないって。僕はこう答えるんだ。自分の力ではどうしようもないことが、世の中にはたくさんある。でもすべては神様が何らかの意味を持って、僕に与えたものなんだってね。だから、誰かとの間に問題が生じたときは、僕は神に頼るようにしている。イエス・キリストだったら、こんな状況をどうやって乗り越えるだろうか、と自分自身に問いかけるんだ。クリスチャンであることは、僕の野球人生にも大いにプラスになっている。