昨年、政府の緊急事態宣言に伴って教会の礼拝も無会衆でオンライン礼拝をしている最中、「無会衆の礼拝を行ないますが、知らずに来られた方は遠慮なくお入りください」という教会玄関の張り紙を見て入ってこられたご夫婦がおられる。これはご本人の許可を得て書かせていただいていますが、奥様は長い間、鬱を患っておられて、ずっとうつむいたまま、こちらから挨拶をしても声が出ないし暗い表情しておられた。礼拝後、ご主人とお話しすると「私は50年前に、今は無くなってしまった教会で受洗しましたが、もう何十年も教会から離れていました。家内のことを考えていると、急に教会に行かなければならないという気持ちになったのです。」とのこと。また来させて欲しいとのご主人の要望に、「今は無会衆ですので、来週も来てくださって良いですよ。」とお話しすると、毎週礼拝に出てこられるようになった。しかし、礼拝出席の回数を重ねるごとに奥様に大きな変化が起こった。顔を上げて笑顔を見せることができるようになり、言葉も出すことができるようになった。ご主人も奥様の毎週の変化に驚いておられた。教会のメンバーもこのご夫妻を温かく迎えてくださり、クリスマス礼拝ではご夫妻でトーンチャイムのご奉仕をすることができるまでに回復された。ご夫妻の要望もあり、平日に入門講座も行ない少しずつ聖書のことも理解されるようになった。そして昨年の年末に奥様の口から「洗礼を受けさせていただきたいのですが・・・」との言葉に私は主に感謝した。この方のためにも私が関西に遣わされた意味があったのだと思った。そして2021年最初の日曜礼拝で洗礼式を行なうことができた。ハレルヤ!
 数ヶ月前から大きな試練を通過しておられたある方が、回復されて最近教会に戻ってこられた。戻ってこられることを知っていた教会メンバーの一人が当日、礼拝前に教会入口で落ち着かない表情でウロウロしておられて、戻ってこられたその人を大歓迎しておられた。また、今回、受洗された方に、教会メンバーの方々が本当に喜びながら挨拶に行かれている様子を見ながら、私一人で牧会しているのではなく、喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣いてくれるメンバー一人ひとりの祈りと奉仕によって成り立っていることを改めて思い知らされた。
 毎週、神さまのドラマを観させていただける人生は素晴らしい!