実話クリスマスに起きた奇跡「20ドルから始まった物語」の続きです。
 三度目のどん底へ・・・1971年のクリスマス。アメリカに住むある青年がレストランで無銭飲食をしたことから物語は始まります。青年の名前はラリー・スチュワート(23歳)。起業した会社が、二度も倒産。膨大な借金をかかえて2年後、ラリーにとって三度目の大きな試練が訪れました。勤めていた会社の経営が悪化して解雇されたのです。途方に暮れながら街を歩いているとポップコーンの売店が目にとまり、彼はポップコーンを注文します。しかし、手渡されたのは注文とは違うポップコーンとおつりでした。ふと店員さんを見ると、暗い表情をしていて何かに困っている様子でした。不景気で売店の売り上げが落ち込んでいたのです。そこで、ラリーは店員さんに20ドルを渡そうとしました。店員さんは受け取れないと断りますが、ラリーは「これはクリスマスプレゼントですよ。メリークリスマス!」と言い、20ドル札を手渡します。ちょうどその日はクリスマスだったのです。すると、店員さんは嬉しそうに『ありがとう!』と笑顔で20ドル札を受け取りました。そして、この店員さんの笑顔がラリーに思いもよらぬ行動を取らせます。
 その後、ラリーは銀行に行き、なけなしの預金を全額20ドル札でおろします。それから赤い服に赤い帽子、白いオーバーオールをまといサンタクロース姿になった彼は、ホームレスや貧しい人たちにおろした20ドル札を『メリークリスマス!』という言葉を添えて配って回りました。無職のラリーにとって20ドルは大金だったに違いありませんが、無銭飲食を救ってくれたのも、銀行強盗を思い止まらせたのも、困っているたくさんの人たちを笑顔にしているのも、『すべて20ドルのおかげ』と感謝を込めて配り続けました。奥さんには黙っていましたが、当然すぐに気づかれます。ラリーは怒られるものと思っていましたが、奥さんはラリーにこう言います。「あなたを誇りに思います」と。
 翌年再び会社を立ち上げ、20ドル札のプレゼントする活動も毎年続けました。すると、不思議なことが起こり始めるのです。(次週へ続く)