堺チャペルには、岩男くんという青年がいる。先日の礼拝の時、ご機嫌斜めで、時折「ウォー」と泣き始めたので、私は彼の後ろに立って、そっと手を伸ばし肩に手をおいて、ゆっくり一緒に体を左右に揺らしながら、彼の癒しと祝福を祈りながら賛美していた。
 彼は現在23歳。重度の自閉症。意思疎通はできない。感情のコントロールもできないので、フラッシュバックが起こると大粒の涙をポロポロ流しながら突然声を上げて泣き出したりする。
 しばらくすると彼は落ち着き始めた。私は「岩男くん、辛いだろうな・・・自分の気持ちを伝えることもできない、したいこともできない。神さまは、どうして岩男くんをこのような形で生まれさせられたのだろうか?」と思いめぐらしていると突然、神さまの濃厚な臨在を感じ、このように語られた。「わたしは岩男を愛している。だからこそ彼はここに存在している。」それは何故、障がいを持って生まれさせられたのかという理由はなく、ただ「愛している」と言われたのです。岩男くんの母親イムさんは、周囲に「この子は、私の宝です!」と言ってレストランIMUの店長をしながら施設には預けないで、彼と生活をつづけておられる。岩男くんを、このような母親の元に生まれさせられたのは、神さまの最大のご配慮であり、岩男くんに対する愛の表れであったことを悟ったときに、涙が溢れてきた。それはもはや切なさではなく、神さまの愛の大きさに圧倒された故の涙でした。これを読んでおられる人たちの中で、一人もこの神の愛から漏れている人はいません。あなたが生かされていることは、神さまの愛の証なのです。
 今の場所でのレストランIMUの営業は、6月で終了し7月から近い場所に移転します。イムさん曰く「今の場所は、家賃が高くて、教会から家賃をいただくことは、本望ではなかった。今度は私が教会を支える立場になりたい。私がしたいことはレストランではなく、教会ですから。レストランは教会を支えるためのツールにしかすぎません。」これがイムさんの祝福の秘訣だと思った。新住所:堺市中区深坂1丁目10-75