テレビの番組の中で、宝くじ6億円当選した人を紹介していた。銀行の通帳も見せて、残高数百円しかない次の日に6億という数字が印字されている。彼はそのお金でスポーツカーやプレジャーボートを買い、一晩で1千万円以上を高級クラブで費やす生活になった。今は、株などで財産はキープしているが、落ち着いた生活に戻ったそうです。その男性は、当時のことを回想しながら、こう言いました。「お金を自由に使えることで幸せになれると思っていたけど、一度大金を手にして、使いたいように使っても、それで楽しいとは感じられませんでした。今は、1万円を手にして、焼き鳥を食べている方が、それ以上に幸せです。」
 以前にも紹介した、アップルの創業者・スティーブ・ジョブズ氏は、56歳で亡くなったが、こう言っている。「私はビジネスの世界で、成功の頂点に君臨した。他の人の目には、私の人生は、成功の典型的な縮図に見えるだろう。しかし、仕事面をのぞくと、喜びが少ない人生だった。病気でベッドに寝ていると、人生が走馬灯のように思い出される。私がずっとプライドを持っていた有名になることや富は、迫る死を目の前にして色あせ、何も意味をなさなくなっている。生命維持装置のグリーンのライトが点滅するのを見つめ、機械的な音が耳に聞こえてくる。神の息を感じる。死がだんだんと近づいている。今やっと分かったことがある。人生とは富に関係のない他のことを追い求めたほうが良い。終わりを知らない富の追求は、人を歪ませてしまう。私のようにね。」
 先日、電話である男性と話しをした。彼はヤクザの出世頭だったが覚醒剤に手を出し廃人となり、刑務所に十数年入っていた。出所してからクリスチャンとなり、今は献身して神学校で学んでいる。彼は、当時の自分をこう表現していた「ゴミに群がるゴキブリのようでした」と。
 私たちはこの世の中の価値観に洗脳されています。もう一度、真剣に人生の意味や価値を考え直さなければならない。パウロは「わたしにとって益であったこれらのものを、キリストのゆえに損と思うようになった。」(ピリピ3:7) もしここに到達できたら無くても満足できるでしょう。