今から40年前に100億円を売る菓子屋になると宣言して、それをわずか10年足らずで達成された“銀座あけぼの”会長の植草三樹男さんの本を読んで感銘を受けました。このお方は大和カルバリーチャペルのメンバーで、とても気さくな楽しい方です。本のタイトルは「はじめに言葉があった」で、ヨハネ福音書1章の御言葉をモットーに会社を導いておられます。この本から二箇所抜粋して以下に紹介します。
すべての創造主である神様のやることを、私たちはやらせていただいているのです。そういう姿勢で経営することが、結局は会社を永続的なものにしていくことにつながると思っています。たとえば、時代が変わって、今までの「やり方」が通用しなくなることもあるでしょう。でもそういう時こそ、自分の原点に立ち返れば、そこからまた「やり方」を導き出せるのです。この原点ともあり方ともいうべきものを自分自身がしっかりと持っていないと、目先の損得に走ってしまい、迷走することになります。私にとっての原点とは、つまり神様のやることをやらせていただくことなのです。
以前、こんなことがありました。長い間ずっと業績のあがらない店舗が、ある時ぐんぐんと売上げを伸ばし始めたのです。それで何があったのかと店長に聞いてみると、「お客様に笑顔で挨拶をするよう心かけました」と言うのです。でも、それ自体はお客様商売として当然のことです。では何が違うかというと、店長はこう説明してくれました。「今までは、買ってくれたお客様に対して、笑顔でお礼や挨拶の言葉をかけていました。でも今は店の前を通り過ぎる人にも等しく笑顔で『こんにちは』『いらっしゃいませ』って挨拶を続けていたら、売上げが見違えるほど伸びたのです」これはとても大きな気づきです。ずっと結果が出なかった店舗を任されて、自分なりに苦しい時期もあったと思います。しかし、定年が見えてきた頃に、「自分から変わる」ことに気がついたのでしょう。それが「お店から変わる」という「やり方」になって表れたのです。今までやれていなかったことをやり続けた結果が、数字になって表れています。