クリスマスのキャンドルサービスを、ご経験になったことがありますか? 隣の人から自分のキャンドルに灯を灯してもらい、そして今度は自分が、また自分の隣の人のキャンドルに灯を灯してあげる・・・。そうやって、一つひとつキャンドルが灯されるごとに、その部屋がどんどん明るくなっていきます。私のキャンドルの灯を隣の人に差し上げても、私の灯が弱くなったり、減ったりすることはありません。
 私たちは、他人から分けていただいたキャンドルの灯によって、輝いて生きていくことができます。そしてその灯りを今度は隣の人に差し上げること、それは、人間がお互い同士、助け合い、持っているものを分かち合って生きている姿と言ってもいいのではないでしょうか。同じことが「愛」についても「ほほえみ」についても言えます。「愛は溢れゆく」という言葉がありますが、ほほえみも溢れていきます。
 あるトラック運転手さんの投書が全国紙に載っていたことがあります。長距離を夜っぴて走ってもう少しで目的地に着くという朝7時半頃、トラックの前を小学生が手を上げて渡り始めようとしていました。いまいましく思った運転手は、タイヤをきしませて、トラックを停めたところ、その小学生は、横断歩道を渡り切ったところで、運転台を見上げてにっこり笑い、「ありがとう」と言ったというのです。「穴があったら入りたい気持ちだった」とその運転手さんは書いていました。そして、「これからは、スピードを出しすぎることはすまい。横断歩道の手前ではスピードを落とし、渡る人ににっこり自分からほほえみかけようと決心した」とも書いていました。ほほえみは、このように、もらった人の心を和ませる力を持っています。皆が、自分の“キャンドルの灯”を惜しむことなく、隣人に与えるようにしたら、どんなに社会は住みよくなることでしょう。親が子どもに伝えたい大切なことの一つです。
(「愛と祈りで子どもは育つ」渡辺和子著より引用)
 
 希望の光を私たちに灯してくださったお方は、イエス・キリストです。心にお迎えするだけで“永遠”が保証されるなんて・・・Merry Christmas!