その日、ダンキンドーナツに立ち寄った、学生のケイシー・フィッシャーさん。すると、1人のホームレスの男性が、持っている小銭を数えながらお店に入るのを見かけました。「何かしてあげたいな」そんな軽い気持ちで、そのホームレスの男性に話しかけたそうです。男性が持っていたのはわずか1ドル。ケイシーさんはコーヒーとベーグルを買ってあげました。すると男性は、自分の生い立ちから今まで起きた様々なことを語りました。名前はクリス。自分がホームレスであるせいで、どれだけ周りの人たちが冷たく当たってくるか。ドラッグがどんな風に自分を大嫌いな自分に変えてしまったのか。ガンで失った母親のこと、そして会ったこともない父親のこと、自分はただ、母親が誇りに思ってくれるような人間になりたいだけだということ…こんなことを話しているうちに、そろそろ授業に行かなければいけないことを伝えると、クリスさんは少し待って欲しいと言い、紙に何やら走り書きをし始めたのです。クシャクシャのレシートに書かれた手紙をケイシーさんに手渡し去って行きました。手紙を見たケイシーさんはハッとしました。こんなことが書かれていたのです。「今日、自殺しようと思っていたんだ。でもきみのおかげで、もうそんな風には思わない。ありがとう、素敵な人。」

 私たちの教会は、5年前、まだ数名しか礼拝出席者がいない時、奈良のカトリック登美ケ丘教会が何の得にもならないのに、どこの馬の骨かもわからない私たちプロテスタント教会の開拓のために集会室を無償で貸してくださった。そして大阪では東大阪福音教会が他教会に礼拝堂を日曜日に貸してくださっている。見込みもない、自分の益にもならない存在に対して見返りを期待せず投資し親切にする。これこそが、「水の上にパンを投げる」「天に宝を積む」ことだと思う。私はこの6年間、沢山の祈りと愛と親切とサポートされながら支えられてきました。今度は、小さな教会、見込みのない人たちに与える側にならなければ、神さまからお叱りを受けるでしょう。何よりもイエス・キリストは、私たちがまだ罪人であったときに愛を示してくださったのですから・・・