昔、中国に花を育て美しい花を咲かせることが大好きなティンという少年がいました。その国の皇帝も花が大好きでした。しかし高齢だったので、後継者を探さなければならない時期になり、このような命令を出しました。「今から、国中の子供たち全員に、特別な花の種を与えます。そして、一年後に最も美しい花を咲かせて持ってきた子を、私の後継者としよう」この知らせが、国中に知れ渡り、至るところから種を求めて子供たちが集まってきました。ティンも皇帝から、特別な花の種をもらい、自信満々でその種を植えました。毎日、水をあげました。しかし、何日経っても何も出てきません。もっと良い土を探して、入れ替えました。それでも何も出てきません。ついに1年が経過しましたが、何も出てきませんでした。春が来て、国中の子供たちが、綺麗におめかしをして、美しい花を持って、宮殿に集まってきました。しかしティンの鉢には何もありません。恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。彼のお父さんは言いました「お前は、よく頑張ったよ。最善を尽くしたのだから、そのまま皇帝に持っていけばいいよ」その言葉に従い、彼は空っぽの鉢を持って宮殿に行きました。皇帝は子どもたちが持ってきた花を見ていきました。どれも美しい花ばかりです。ついにティンの鉢に目がとまりました。皇帝が彼を前に出るよう促すと、彼は泣きながら言いました「僕は毎日、一生懸命世話をしたのに何も出てきませんでした。だから、ここには何も出てない空っぽの鉢しかないのです」この言葉を聞いたとき皇帝の顔に笑みが浮かびました。ティン君の肩に腕をかけて群衆に叫びました「私は、ついに私の後継者になるべきふさわしい人物を見つけた!君たちは、どこから他の種を持ってきたか知らないが、私が与えた種は、調理済みで、芽が出る種ではなかったのだ。この少年は、勇気をもって空の鉢をもってきた。そのことを称えよう。彼は、今は何もないけれど、私の王国の皇帝となって、この国の富の全てを持つことになろう!」
 あなたの状況が良くなくても、神さまの前に誠実に生きるなら、あなたは持っていないようで、多くを持つことになるのです。