メトロ・ミニストリーズというニューヨークの貧民街で伝道をしている団体のリーダーのビル・ウィルソン牧師は、毎週2万人以上の子供たちが集まる日曜学校を行なっています。先生は、子どもの頃、母親に置き去りにされました。シングルマザーであった母親が、「もうダメだわ、やっていくことはできない・・・」そういって、通りの消火栓の前で「ここで待っていなさい」と言い残したまま姿を消しました。彼は、その消火栓に座ったまま3日間待ち続けました。しかし、母親は帰ってきませんでした。3日目に、クリスチャンの男性が、消火栓にずっと座っている少年を見つけて家に連れ帰り、食べ物を与え、クリスチャンの子どもキャンプへ参加させました。そこには各地からたくさんの子どもたちが集まっていました。慣れない場所に来たビル少年は、隅の方に座っていました。その夜の集会で牧師が話し終わり、最後に招きがありました。「もしイエス・キリストを信じたいなら前に出てきてください」 ビル少年は、聖書の話は初めてだったのですが、何か引き付けるものがあって前に進み出ました。決心した子どもたちが集まると、カウンセラーが出てきて、一人一人の子どもたちの所へ行き、一緒に話したりお祈りをしたりし始めました。しかしビル少年のところには、誰も来てくれなかったのです。恐らく、母親に置き去りにされた時の汚い服、やぶれたズボンを履いた子どもの所には行きたくなかったのでしょう。ビル少年は、一人でこう祈りました。「神さま。僕を導いてください。」カウンセラーは来てくれませんでしたが、イエス様が来てくださいました。彼はその時、大きな恵みの衝撃を受けました。神さまの愛で包まれました。そして、今、誰もできないような大きな働きをしておられます。彼は大きなミニストリーの長になっても、未だに町の子どもたちを乗せるためのスクールバスを運転しています。彼はこう言います。「捨てられた自分を拾ってくれた人がいます。そして今日があるのです。自分が子どもたちを拾うときに、あの捨てられた自分を思い出し拾い上げています。」
境遇は違いますが、私も同じ気持ちで福音を宣べ伝えています。