朝日新聞に投書されて特集に載ったものをご紹介します。
 「私の母は、私が入試に失敗したので、ガッカリした顔をしています。そういう顔をされると、こちらまでイヤになります。これから一年間、母のあの顔を見るのかと思うと、もう絶望的にさえなります。ところが嬉しいことがありました。近所のオバさんが私が入試に落ちたのを知って私に言うのです。『それは良かった。素晴らしい体験をしたのよ。そういう体験をしてこそ人の心の痛みがわかるようになるのよ。だからめでたいことなのよ。さぁ、お祝いをしましょう。私がご馳走するよ。』ということになって、思いがけないご馳走になりました。私は驚きました。入試に失敗したのにお祝いしてくれるなんて・・・しかし、私はこのご馳走を一生忘れないでしょう。おばさん、ありがとう。」

 この記事を読んだとき、神さまの計り知れない私たちに対するご計画と恵みの世界を感じました。世の中には「勝ち組」とか「負け組」というカテゴリーを作って、「成功者」「失敗者」というレッテルをつけたがります。しかし負け組に入れられたからと言って、本当にそれが失敗なのかをむやみに私たちが判断してはならないでしょう。この世における成功も失敗も、所詮、「今」の状況判断だけであって、その人の人生全体を見てはいないということです。
 讃美歌536番の歌詞が、心に響きます。
① むくいを望まで 人に与えよ こは主の かしこき御旨ならずや 
  水の上に落ちて流れし種も いずこの 岸にか 生いたつものと
② 浅き心もて 事を計らず み旨のまにまに ひたすら励め 
  風に折られしと見えし若木の 思わぬ木陰に 人もや宿さん

 永遠の世界における成功者が、この世においても勝利者であることを聖書は教えています。どうすれば永遠の世界における成功者になれるのでしょうか? 「世に勝つ者はだれか。イエスを神の子と信じる者ではないか」(1ヨハネ5:5)