日本でも一躍ベストセラーになった「チソン、愛してるよ」は、皆様の記憶にあると思います。チソンは、美しい外見と知性を兼ね備えた女性でした。大学へ進学しましたが、不幸にも交通事故に遭い、体中に重度の火傷を負い、皮膚が損傷して歩くこともままならなくなり、顔も見るに無残なケロイド状になってしまいました。しかし、この女性は極度の絶望的な状況の中でも、「苦しみ」には同意しませんでした。その代わりに、このような決心をしました。「私の経験を本にして、似た境遇にいる人たちを慰めよう。」フランクリン・ルーズベルト大統領のファーストレディーであるエレノアさんが言った有名な言葉は、「あなたの同意なしでは、誰もあなたに苦しみを抱かせることはできません。」この言葉を裏返して解釈すると、「今あなたが苦しい理由は、あなた自身が苦しみに同意しているからです。」
 私たちは、自分の周りにある状況や環境のせいで不幸なのだと思い込んでしまうことがあります。しかし、現実がどうであっても、幸せに生きることは可能なのです。逆に人目には恵まれた環境にいても不幸せな人たちも沢山います。それは、エレノアさんの言う「苦しみに同意している」からです。
 イエス様が生まれた時の状況は、人間的には最悪でした。出産間近なマリヤには泊まる宿もありませんでした。そしてようやく与えられた場所は、家畜の糞尿の匂いのする不衛生な家畜小屋でした。ヨダレがついた汚い餌箱がイエス様の寝かされる場所でした。すぐにヘロデから2歳以下の男の子を殺せとの勅令がくだり、エジプトへ逃げなければなりませんでした。神の子を出産するための特別待遇は全くといっていいほどありませんでした。それでもヨセフもマリヤも自分たちが不幸だとは思いませんでした。なぜならそれを「苦しみ」として同意したのではなく、「神さまから与えられた特権」と認識していたからです。
 
 今年も一年間、神さまが私たちに最高の人生を歩ませてくださったことを心から感謝しています。よいお年をお迎えください。シャローム☆