四肢欠損症という稀な病気のために、腕と脚のない身体で生まれたオーストラリア出身のニック・ブイチチは、今、神の手足として世界で用いられています。生まれて間もなく医者は両親に「この子は将来、歩くことも、学校へ行くこともできない。」と宣告しました。しかし両親はニックに「あなたには神さまからの特別な使命があるから」と励ましながら育てました。ところが彼は成長していくにしたがって、「どうして神は他の人のように自分に手足を与えなかったのだろうか?」と、神に対する怒りと周りへの憎しみを持つようになりました。自分のことは誰も理解してくれないという寂しさ、将来への不安、人の世話になりながら生きなければならない「自分」という存在の虚しさ。学校へ行く理由もわからなくなりました。そして10歳の時に自殺をするため浴槽に身を沈めようとしましたが、両親を傷つけることになると思い断念しました。15歳のとき、聖書の中の生まれつき目の不自由な男性の話を読みました。何故、目が見えずに生まれてきたのか誰にもわかりませんでしたが、イエスさまは、「この人に神の栄光が現れるためだ」と言われました。この時、ニックに嵐の雲を突き抜けるような神さまの喜びが注がれました。何故、神が彼に腕と脚をくださらなかったのか、その理由はわかりませんでしたが、だからと言って、何かの間違いでそのように生まれたわけではないことがわかりました。ただ神さまが将来と希望を与える素晴らしいご計画を持っておられることを信じることができたのです。彼はこう言っています。「『よく人から、あなたは手足をくださいと祈っていますか?』と質問される時があります。もちろん、手足はほしいです。でも与えられなかったとしても落ち込みません。与えられても、与えられなくても、僕は奇跡を信じています。神さまは僕にとても大きな使命を与えてくださいました。手足がないゆえに、世界中を飛び回り、数知れない人たちに勇気を与え、何十万人という人たちがイエスさまを信じました。僕に手足がなくても、神さまは、僕を神の手足をして使ってくださっているのです。」

 あなたも神の奇跡です。決して諦めないでください。