20年前「和彦さんが交通事故ですって! 病院へ行ってあげて!」母からの電話で病院へ駆けつけてみると、そこには頭を丸坊主にして4本の鉄の杭を打ち込まれ、ヘッドギアをつけて吊るされ血がにじんだ包帯だらけの主人がいました。彼のオートバイと自動車がぶつかったのです。寝たきりの生活が始まり、しばらくしてから心の病が始まりました。大量の薬の服用により、心身が錯乱し自律神経失調症になり、訳もなく荒れ狂うようになったのです。目がうつろで焦点が合わなくなると暴れだします。暴れだすと、私は台所の窓から急いで包丁を外に投げ捨てます。大きな声が響かないように窓を閉めます。明け方まで暴言をはき、気が済むと、うそのようにいびきをかいて寝てしまいます。私は泣きながら仕事に行きました。夕方、家に帰るのは憂鬱でした。当時はイエス様を知りませんから、夫婦にとっての頼りは、精神科の薬だけでした。苦しい毎日が何ヶ月も続いたある日、主人は「オーストラリアに留学したい。」と言い出しました。すべての環境を変えて自分を生き返らせたかったのでしょう。牧場体験のために旅立ちました。しばらくしてから牧場で働くことができなくなり、現地で出会った牧師の紹介で薬物患者のためのクリスチャン更正施設で働かせてもらうことになったという連絡がありました。その施設には、テレビも漫画もなく、あるのは聖書と祈りだけ。主人は、そこで働きながら、イエス様を知り自らが癒され、生まれ変わって帰ってきました。3ヶ月後、彼を迎えに行った私はその変わり様にビックリしました。その時の彼は目が輝き、口にする言葉はキチンとして、そして態度まで別人のようにしっかりとして自信に満ちていたからです。病は全て癒されていました。大量の薬をゴミ箱に捨てた時の、あの喜び溢れる瞬間は忘れられません。そして私の生活も救われました。イエス様を知らなかった私達夫婦の10年間は苦しみだけで頼りは薬だけでした。その薬によってまた苦しめられてもいたのです・・・。 
これはA.F.さんの体験談です。現在夫婦でケアホームを運営なさっています。「わが助けは、天と地を造られた主から来る。」(詩篇121の1)