ニューヨーク在住のリカルドという一人の男性の実話です。
この街には様々なモラルの乱れがあります。男性が女装して売春するということが盛んに行なわれるような地域もありました。リカルドは、ホルモン療法で、喉仏以外は女性にしか見えない男性で、商売上の名前は「サラ」で通っていました。その街にある教会が伝道計画を立てたところ、女装したリカルドが教会へ来るようになりました。彼は仲間の内で一番のワルで、年下の仲間全員にコカインや売春を教え込んでいました。十年以上もそんなことを続けた彼は虚しさを感じ始めました。彼は明け方近くまでかけて400~600ドル(約5万円)稼いで、それを一晩で全てコカインにつぎ込んでしまうのです。橋の下でまどろんで、朝目覚めると食べ物を探しにゴミ箱をあさり、日が暮れるとまた同じことを繰り返すだけの生活・・・ 
彼は教会の礼拝をかさねるごとに、自分は変わることができるかもしれないと思うようになりました。このイエス・キリストという方なら、麻薬から自分を解放し、ひょっとすると、中途半端な女男ではなく、本物の男にしてくれるかもしれないと思うようになったのです。彼は子どもの頃から女の子のように見えることを、からかわれてきました。母親は彼にホモであることから脱却するように懇願して、彼自身も努力はしたのですが、上手くいきませんでした。何度挑戦しても意志が弱いために失敗したのです。しかし、彼は神には偉大な力があって、本当に自分を内側から変えることができると考えるようになりました。そして神の言葉に耳を傾け続け、ひと月もするとイエス・キリストを心に委ねるようになりました。劇的改心があったわけではなく、徐々に内側で変化が起こっていったのです。そして3ヶ月後、古いリカルドは過ぎ去り、確かに新しく生まれ変わりました。
チャールズ・スポルジョンは言いました。「宝石は黒いベルベットの上に置いて展示する。黒を背景に宝石は輝きを増す。それと同じように神は、絶望的に思える状況の中で驚異の御業を行なわれる。」