生涯に5000以上の讃美歌を作詞したファニー・クロスビーは、医者のミスによって生後6週間で視力を失いました。何も見ることができない暗闇の世界の中で、クロスビーは8才の時に聖書の言葉に触れ、イエス・キリストにあって喜ぶという決心をしました。
彼女が30才になる頃、失明の原因となった医師が、まだそのことで今も悩んでいることを聞いて、彼に手紙を書きました。「どうか私のことで悩まないでください。それはあなたにとっては失敗だったかもしれませんが、神さまにとっては大成功だったのです。他の人なら見過ごしてしまう神さまの恵みを、私はどれほど多く感じ喜んでいることでしょう。」
愛する友人や、自分の子どもが幼くして亡くなったときも、彼女は神への讃美を作り続けました。そして92才の誕生日には明るくこう言いました。「もし私よりも幸せな人が世界のどこかにいたら、是非お会いして握手をしたいものです。」
世を呪い神を呪いながら人生を歩んでも許されるようなこの人物が、自分の目が見えなくなったことは、神にとっては大成功だったなど、誰が言えるでしょうか? ここで学ばされることは、私たちの視点がどこにあるかによっては、たとえ困難な中にいても、問題の中にいても、幸せでいることはできるということなのです。豪邸に住み、高級車を乗り回し、世界中を自由に旅することが一般に想像される成功者像ですが、聖書が教える成功者像には、そういう類いのものはありません。なぜならたとえこの世の全ての富を持っていたとしても、それによって苦しみ、心配事が山のように積まれて悩んでいる人は多いからです。地位があってもなくても、お金があってもなくても、問題があってもなくても、環境が良くても悪くても、能力があってもなくても、生産性があってもなくても、その人が幸せで、喜んで生きていける人こそ本当の成功者です。
真の成功者は、今を喜び、今を楽しみ、今を満足します。そしてそれが将来へのステップに繋がっていくのです。God is so good all the time.