エンマゲルというアメリカの心理学者が、このような息の実験をしました。冷やした試験管の中に冷却した空気を入れて、そこに人間の吐く息を入れてもらいました。そうすると、その息が水滴となって試験管の下に沈殿するのですが、健康な人の吐く息を冷却すると、下に溜まる水滴は無色透明だそうですが、怒っている人の息を冷やすと、栗色の息が沈殿するそうです。そして悲しんでいる人や苦しんでいる人の息は灰色に変わり、憎しみを持っている人の息は濃い赤色になるそうです。そして、怒りで栗色になった息をネズミに注射すると30秒以内に死ぬということでした。しかも、それは健康な人間を80人は殺す毒を持つというのです。
学者が、実験しなくても、聖書は何千年も前から「人間の悲しみ、怒り、恐れ、不安、憎しみは、あなたの骨を腐らす」ということを教えています。しかし、そうは言われても、そのような状況の中で喜ぶことは簡単にはできないのが、私たちの弱さであります。どのようにしたら、喜ぶことができるのでしょうか? 身近なところから言えば、まずは、当たり前を感謝し喜ぶということです。私は以前に入院したことがあります。激痛の中で身動きがまったくできない状況の中で、普通に寝返りできることが、どれだけ感謝なことであったかを実感したことがありました。普段当たり前のようにして過ごしている小さなことにも目を留め、そこに感謝を発見しながら生きて行くならば人生豊かになるものです。
もう一つのアドバンスコースは、「主にあってすべてのことを喜ぶ」ということです。問題や困難自体を喜ぶのではなく、そのような環境の中でも、「私は神の手の中にあって、万事は最善に導かれている」と、信仰を働かせるならば、どんなことが私たちの人生に起こっても、平安が与えられるのです。そればかりか、神に導かれている人生を喜ぶことができるのであります。
吐く息は、私たち自身に影響を与えているばかりか周りにも及んでいます。願わくは、私たちの息がいつも無色透明でありますように。