砂漠地帯の木を育てるときに、成長の過程のある時期、水をやらないそうです。それは、将来、雨が降らなくても生き延びることができるためだそうです。水をやらないことによって、木は水を求めて下へ根を伸ばすようになります。過分に水分を与えると、根を伸ばす必要がないので、伸びないまま厳しい環境では育ちにくくなるというのです。成長のプロセスの中に、何も人によって手が加えられないように見える期間こそが、実はその木にとって最も大切な時間なのだということです。
 四肢欠損症というまれな病気のために、腕と脚のない身体で生まれたニック・ブイチチがこう証ししています。「人には誰にでも障がいがあります。それが目に見えるかどうかだけです。過去にいじめられたせいで、成功できなかったせいで、あるいはまだ独身だからというせいで傷ついた心という障がいです。しかし、一時的なものに幸せを見出すならば、その幸せも一時的なものにすぎないということです。成功する前に、結婚する前に幸せでないのならば、それらを手に入れても幸せになることはできません。」ニックは腕と脚がない自分に希望を見いだせず、怒りと混乱を抱えながら成長しました。まるで神が沈黙しておられるかのような毎日でした。15歳の時に聖書の話しを聞いて、「私に腕と脚をくださるなら、私はあなたを信じます。」と祈りました。腕や脚が生えてくるという奇跡はまだ起こっていませんが、何かの間違いでそのように生まれたのではなく、神様が将来と希望を与える素晴らしいご計画をもっておられることを信じることができるようになりました。それからというもの彼の情熱とその特別な障がいのおかげで、老若男女、そして懐疑的な人、動けない人などさまざまな人々にふれ合うことができるようになりました。これまでに29カ国で講演をすることができました。そのメッセージは、「神はあなたのためにご計画を持っておられる」というシンプルなものです。
あなたにとっての神の沈黙とは何でしょうか? 荒野のような只中にも、後の日のための特別訓練が施されているのです。
「神の真実さは、私たちの短い人生を数年、もしくは数十年引き伸ばすかどうかの次元ではありません。私たちが信頼するなら死までも責任をとってくださいます。神が責任をとることができないことは、私たちの人生には起こりません。」  (ジョン・ホンジュン師)