先日、心温まるある人の体験談を聞きました。
 関空から羽田まで飛行機で移動するため、ある航空会社のカウンターでチケットを買おうとしていました。シートの値段を見るとエコノミー料金に千円足せばスーパーシートというグレードアップされた席に座れることがわかり、その席を取りました。機内に入ってみると、何とエコノミークラスの席よりスーパーシートの方が混んでいる状況でした。指定の席に座って回りを見ると、隣に小さな男の子が座っているではありませんか。「小学生のくせにスーパーシートに座るなんて・・・」と思っていると、男の子は斜め前の席に座っている母親らしき女性に手を振ったり、向こう側に座っている人に目配せして合図したりで、どうも一家族全員がスーパーシートに座っているのがわかりました。やがて飛行機は離陸しましたが、途中乱気流に入ってしまいシートベルトをしていなければ、天上にぶつかるほどの酷い揺れでした。悲鳴をあげる人、後ろでは吐いている人の気配がしたりと、今まで経験したことのない揺れに機内は騒然としました。ふと、隣の少年を見ると、身動きせず、乱れることなく平然と席に座っていました。乱気流から脱し、やがて羽田空港に着陸するアナウンスがあり、機長から特別なメッセージが発せられました。「今日は、私の最後のフライトでした。パイロットとして、今まで一度も事故がなく安全に飛べたことが私にとって最も嬉しいことです。これからも当社を応援してくだされば幸いです。本日はありがとうございました。」すると、隣に座っていた男の子が大きな拍手をしました。それにつられるようにして、皆が拍手しました。「大した小学生やな~」と思っていたのですが、着陸してからわかったことは、この男の子は機長の孫だということでした。この男の子の「僕のお爺ちゃんは失敗することなく必ず安全に運んでくれる」という全幅の信頼によって、乱気流の中でも平静でいることができたのです。
 私たちの人生の機長はイエス・キリストです。乱気流があろうと、何が起ころうと大丈夫! 一度委ねてみられたらいかがですか?